2018年 06月 30日
「リズと青い鳥」ネタバレ感想 |
映画「リズと青い鳥」を観ました。
童話「リズと青い鳥」になぞらえて自分達の関係を考える高校生女子2人。
吹奏楽部の自由曲「リズと青い鳥」の第三楽章には、
この掛け合いを担当することとなる、オーボエのみぞれとフルートののぞみ。
自分をリズ、のぞみを青い鳥だと考えて、リズの気持ちを理解できないみぞれ。
みぞれはのぞみが大好きだった。(これは私は恋愛感情ではないと思っている。)
みぞれの世界は、のぞみがすべてといっても過言ではなかった。
高1の時、のぞみが帰宅部のみぞれを吹奏楽部へ連れ出してくれた。
それなのにのぞみは自分から誘っておいて高1の時に一度は吹奏楽部をやめたり、
本当はのぞみの方こそみぞれを気にして離れられず、張り合っていたのだ。
友人に感想などなどをプレゼンされたので観ようと思いつつ、
・アニメが苦手だった(最近は少しずつ克服している)
・正直言って「中高の吹奏楽部」が苦手だった
などの理由から躊躇っていました。
吹奏楽部を苦手に思っている理由は色々あったのですが、
先日「人と比較すること」や「嫉妬」を克服した時に
「今なら観れるかもしれない!」と思い、観に行くことにしました。
ちょうど思い立った日には、
あと数日で通常上映が終了してしまうというタイミングでした。
こういうのって、本当にタイミングや巡り合わせがあると思います。
結論を言うと、観に行って本当に良かったです。
そして、今のタイミングで観に行けて、良かったです。
以下、私なりにあらすじを振り返りながらの感想です。
謝罪といたしまして、リズの感想を書き終える前に万引き家族を観てしましました。頭が混乱。
ネタバレありなので、moreにします。久々に使った機能です。
ネタバレありというか、ネタバレのみですね笑
見たくない人はmoreしないで!!!!!!!!
※あらすじと感想を一体にしたものです!!!
※以下、ネタバレあり
※あらすじは大体のもので、公式からとってきたものなどは全くなく、
自分が一度だけ観て把握した・感じたあらすじです。うろ覚えだったり割愛してます。
童話「リズと青い鳥」になぞらえて自分達の関係を考える高校生女子2人。
まず、「リズと青い鳥」という童話は、
ひとりぼっちで暮らす少女リズの元に飛んできていた青い鳥が少女へと形を変えてリズの元へ訪れ、
2人は仲良く暮らようになるが、
リズは少女が青い鳥であると気付き、
リズは青い鳥のために自分の元から青い鳥(少女)を解放する……そのような話だ。
吹奏楽部の自由曲「リズと青い鳥」の第三楽章には、
オーボエがメインメロディー、そこにフルートが掛け合うというソロがあった。
第三楽章は「愛ゆえの決断」。
第三楽章は「愛ゆえの決断」。
リズが青い鳥との別れを決断する章であり、
この2パートの掛け合いはリズと青い鳥を現していると考えられていた。
この掛け合いを担当することとなる、オーボエのみぞれとフルートののぞみ。
自分をリズ、のぞみを青い鳥だと考えて、リズの気持ちを理解できないみぞれ。
みぞれはのぞみが大好きだった。(これは私は恋愛感情ではないと思っている。)
みぞれの世界は、のぞみがすべてといっても過言ではなかった。
高1の時、のぞみが帰宅部のみぞれを吹奏楽部へ連れ出してくれた。
それなのにのぞみは自分から誘っておいて高1の時に一度は吹奏楽部をやめたり、
明るい性格からいろんな友人と仲良くしたり後輩からは慕われていたり……
みぞれから見ると勝手で自由な存在でもあったと思う。
ひとりぼっちのみぞれと、みぞれの元へ訪れてみぞれを孤独にさせなかったのぞみ――
みぞれも、のぞみも、二人ともリズはみぞれで青い鳥がのぞみだと思っていた。
しかし、途中で気付く。
みぞれは、自分とリズの心情を重ねることばかりしていた。
ひとりぼっちのみぞれと、みぞれの元へ訪れてみぞれを孤独にさせなかったのぞみ――
みぞれも、のぞみも、二人ともリズはみぞれで青い鳥がのぞみだと思っていた。
しかし、途中で気付く。
みぞれは、自分とリズの心情を重ねることばかりしていた。
自分から大事な人を手放すことなんてできないからリズの気持ちが分からないと言って、
うまくオーボエのソロパートを吹くことができなかった。
そこで先生の助言を受け、青い鳥の心情を考えた。
大好きな人から突然別れを告げられて悲しみを感じる。
大好きな人から突然別れを告げられて悲しみを感じる。
でも最後の一言があったから、青い鳥は飛び立つことができた。
青い鳥は愛する人だからこそ、彼女の言う通りにするしかなかった。
この時、みぞれは何を思ったのだろう。
この時、みぞれは何を思ったのだろう。
リズは青い鳥に愛されていることが分かり、自信を持ったのだろうか。
青い鳥はリズの言うことを聞くことしかできないと思ったのだろうか。
(この辺はもう一度見たい。忘れてしまっている)
一方、のぞみは友人(部長ともう一人の同期の子!名前分からん!)に楽器庫でようやく本心を語る。
(この辺はもう一度見たい。忘れてしまっている)
一方、のぞみは友人(部長ともう一人の同期の子!名前分からん!)に楽器庫でようやく本心を語る。
のぞみのような子は、いつも繕っているからなかなか本心を語らないと思う。
プライドが高い。人気者の自覚がある。明るく振る舞っている。
特に、暗くて実は話の合わないみぞれと話す時も、無理に明るく振る舞っているような気がする。
そして、みぞれの気持ちを知っているからこそ、本心はみぞれに話せなかった。
友人の「友達だからって言えないこともあるよね」みたいな台詞がやけに印象的だった。
そこで、のぞみは進路調査票を白紙で提出したのに先生から声がかからなかったことなどを話し始める。
本当はのぞみの方こそみぞれを気にして離れられず、張り合っていたのだ。
「みぞれには自分しかいない」と思いたかったのだと思う。
実は、二人とも気付いていなかったが、
鳥かごに入れていたリズはのぞみ、鳥かごに入れられてしまった青い鳥がみぞれであったのだ。
みぞれは、青い鳥の幸せを願い、オーボエを吹いた。それはとても素晴らしいメロディーだった。
のぞみは、みぞれの実力を目の当たりにする。圧倒され、演奏中に泣いてしまう。
みぞれは、青い鳥の幸せを願い、オーボエを吹いた。それはとても素晴らしいメロディーだった。
のぞみは、みぞれの実力を目の当たりにする。圧倒され、演奏中に泣いてしまう。
その練習後、フグのいる生物室で泣いているのぞみに、みぞれが話しかける。
のぞみが話し続けるが、みぞれが「聞いて」と珍しく遮って話し出す。
それはのぞみへの気持ち、たくさんの「好き」だった。
でも、それに返すのぞみの言葉は「みぞれのオーボエが好き」だけだった。
最後は2人で学校から帰っていく。
序盤、学校に入るシーンから始まり、学校を出るシーンで終わる。
序盤とは全然違う2人の雰囲気があった。
――――――――――――――――――――――――――――
まず、最初は「リズ=みぞれ」「青い鳥=のぞみ」であることを全く疑わないのに、
だんだんのぞみの言動と2人の違和感から2人の関係性がそうでないことを少しずつ匂わせてくる。
シンプルに言うと、最初はみぞれは何が言いたいかわからない暗い子だと思った。
のぞみはそんなみぞれと一緒にいることが多いが、
彼女は勝手な動きをし、みぞれの気持ちをあまり考えていないと感じた。
みぞれののぞみへの執着心は凄まじかった。
進路ものぞみが行くと言ったところにし、のぞみの行動をいつも窺っている。
でも、そんなみぞれの気持ちを、のぞみはわかっていたし、
それほど好かれていることで自尊心を保っていた部分があると思う。
のぞみのように、みんなから慕われ、明るく、ちょっとちゃらけてみたりする人は、
きっと自分に自信がなく、周りの目をとても気にしている子だと思う。
それが、進路指導・オーディションなどを経て2人のいびつな関係はもっと捻じ曲がることになる。
みぞれは進路調査票を白紙で提出し、音楽の先生から音大を勧められる。
みぞれはまだ音大受験を決断していなかったが、
そのパンフレットを見たのぞみが「私もそこ受けようかな」と言うことで、
みぞれも音大受験を「のぞみが受けるなら、私も受ける」と即決する。
しかし、本当はのぞみも白紙で提出していたが、先生から音大の話など全く来なかったのだ。
のぞみはフルートの後輩達から慕われ、オーディションでもソロパートを勝ち取り、
「さすが”のぞ先輩”」と言われることで、自分の実力を過信していた。
だからこそ、みぞれが音大のパンフレットを持ってきたときはショックで、負け惜しみで言ったのだと思う。
その悔しさが少しずつのぞみの中で肥大化していった。
極端な言い方をすると、のぞみは「みぞれが自分がいないとダメな子」だと思っていたと思うし、
それは「みぞれは自分より下」「みぞれは私から離れていかない」「みぞれは私しか好きじゃない」と思っていたのだと思う。
オーディションの後、今までずっと平行線であったみぞれと唯一のオーボエの後輩りりかとの関係は進展した。
それまではりりかにダブルリードの会に誘われても絶対行かず、
必要以上のコミュニケーションは取らなかった。
でも、オーディションの後りりかの「オーディションダメでした~~~先輩と一緒にコンクールで吹きたかった~」という言葉を聞き、
みぞれのりりかへの愛情が少し増した。
のぞみがみぞれをプールに誘ったとき、「他に誘いたい子いる?」と聞いた。
そこでみぞれはりりかを誘ったのだ。
一瞬間があり、のぞみは「へ~珍しいね」と言うが、強がった言い方に聞こえた。
きっと一応聞いてみたけど、他に誘いたい子がいる訳ない、私としか遊ばない、と思っていたのだと思う。
そうやって、進路指導やオーディションとプールを経て、
のぞみはみぞれに対する気持ちが変わっていったと思う。
終盤のみぞれとのぞみの言い合い、
のぞみは最初に「今まで私に合わせて遠慮してたんだね」というような発言をする。
のぞみは相当悔しかったと思う。
みぞれはのぞみの好きなところをたくさん叫び抱きつくが、
のぞみはそれに対し「みぞれのオーボエが好き」と言うのがやっとだった。
私は、のぞみはみぞれが好きだったわけではない、と思う。執着心だ。
みぞれのことをいつも気にしていたが、それが「愛」というようなものではなかったと思う。
(それを言うと、みぞれも「愛」ではないとも言える)
そして、「リズと青い鳥」になぞらえて2人の関係は語られていくが、
最終的には、そのまま童話通りとは言えない。
青い鳥であるみぞれはリズ(のぞみ)が解放することなく、一人で羽ばたいていった。それがオーボエを見事に吹いたシーンだ。
そして終盤の言い合いでは、リズであるみぞれがのぞみ(青い鳥)を解放する。
みぞれが気持ちを言うことで、のぞみはその気持ちに向き合わざるを得なかった。
しかし、のぞみは向き合っても「みぞれのオーボエが好き」しか出てこない。
(実は今少し他の人の感想を読んだのだけど、
この言葉については、「のぞみがみぞれを解放するために気持ちをごまかしている」という意見があった。
もう一度見ないと分からないが、一度見ただけでは私にはそうは見えなかった)
この作品は、中高生の時の女子の複雑な感情が込められている。
みぞれののぞみへの「好き」という気持ちは、恋愛感情でもなんでもなく、
学校で居場所のなかったみぞれの居場所への依存みたいなものだと思う。
のぞみのみぞれへの気持ちは、好かれていることが当たり前になっていた。
でも、序盤の音楽室のシーンからずっと、のぞみはわざとみぞれに距離を取っているような気がする。
「好き」というより「嫌われたくない」「私にはみぞれがいる」といったものに見える。
中高生女子は、「孤独」が敵だ。
みんな居場所を求め、噛み合わなくても居場所があるだけで安心する。
そんな感情がリアルに出ていた。
もう少し若かったら、まだ私が人のことを気にして比較し嫉妬し続けていたら、
観るのが本当に辛かっただろうとも思う。
一番普通…というか感情と行動が通常なのはりりかかなあ、と思う。
ゆで卵が急に手から出てくるのウケる。萌え袖に隠していたのか?ってくらいウケる。(好き)
後半になって気付いたことが多い作品だったので、もう一度前半を見直したい。
きっと気付けていない感情が出ているシーンがあったはずだ。
もう一度見直したら全然違う感想が生まれているかもしれないな、と思う。
今書ける感想はこんなところだろう。
ちなみに、記憶が曖昧になったせいか、思考が進んだせいか、
観た直後に思っていたこととも少し変わってきている気がする……。
by fuzzdistortion
| 2018-06-30 00:13